その様子は動画でもご覧いただけるが、やま栄渡船でのレギュラーサイズである30cm超のチヌが、まるでカイズの数釣りのようにポンポンと浮き上がってくる様子が収められた。
もともと大きいチヌがかかってもそのショックをしっかり減衰するロッド特性からチヌが暴れにくく、ファイトに余裕のあるNSR ASRA MAXシリーズだが、このF2はその中でも現状最も華奢で軟調なモデルである。しかし、そのロッドの曲がり方からは想像できないほどロッドは魚を持ち上げつつ元の形に復元しようとする。
それは決してカーボンロッドにありがちな跳ね上げるような反発力によるものではなく、すっと魚の方から浮きに来たかのようなスムーズな戻り方なのである。大きくカーブするF2はその全体でしっかりショックを分散し、曲がったぶんのパワーを、復元しようとするパワーに移行させる瞬間が極めて自然体なのだ。動画を見て、ただ柔らかい竿だという見方は、まだこのロッドの特性を理解したとは言えない。
繰り返しになるが、曲がったロッドの戻り方にこそ、注目されたい。